1.経穴は効くものではなく効かすものである。 2.成書の穴は方向を示すもの。 深谷灸法の取穴は変動穴といわれるものが多い。 常に指腹で圧痛、硬結を求めて穴所としている。 「ツボさえちゃんと取れれば病気は自分の方から逃げていく」 3.穴は移動する。 4.名穴を駆使する。 名穴といわれるものの多くが少穴であることも深谷灸法の理であるが、 名に負う名穴も効かすものであることに変わりはない。 5.少穴で効果を上げること。 先生はよく「ツボ殺し」の言葉で、いたずらに多穴施灸することは効の少ないことを戒められた。 6.反応のない穴は効きめがない。 穴を効かすためには、反応を生む施灸が必要だということである。 第一に正確な取穴であること。 第二に表皮に現れる発赤、熱感の浸透性、消滅時の火の色、灸熱緩和器によるアザ状の発赤など。 第三に艾の大小・壮数の多少については、成書にある壮数はあくまで目やすであること。 老若肥痩、虚実に対する刺激量の増減、 熱感のないものは熱の滲透するまで、熱いものは熱感のなくなるまで。 熱がる人でも透る熱感であれば一壮でもよい。 7.そこが悪いからとてそこにすえても効かない。 患部穴や近位穴はツボ数の多いことと効果の少ないことは、5.の通りである。 ただし患部穴や近位穴に対する先生の施灸もよく拝見したが、あくまで遠隔施灸を原則とした。 8.名穴であってもただそれだけで効くのではない。 9.灸の大小・壮数。 10.経穴は手際よく取れ。 |