第4章 婦人の保健推拿



美容束腰


 (一)概述
 “愛美之心、人皆有之。”(美しくありたいという気持ちはみんな持っている)。 特に女性の美への憧れは切実なものがあり、古代から“窈窕淑女・君子好逑”(おくゆかしく上品な淑女は君子のよい配偶者)という説があります。歴代の医学文献の中には容色を衰えないようにする理論と方法についての記載が数多くあります。たとえば針灸、按摩、気功、内服と外用の薬物など多種多様です。皮膚・五官の保健美容にはじまり気品気質の修養に至るまで足を踏み込んでいないところはありません。これらの内容は古代の人たちの美に対する憧れと追求を十分に反映しおり、文明と智恵の光彩を輝かせています。今日、人民の生活が平均的に高くなってくるにしたがって、自分の容貌を美しくしたいという要求は日々強くなっています。少女たちはみんな自分の容貌が花のように玉のようになることを希望し、婦人たちはみな自分の風趣の存続と往年の美貌の不滅を切望し、たとえ閉経期を過ぎた高齢の婦人でも自分の顔貌が青春期のままであることを希望します。ただどうすれば自分の容貌、容姿の衰えを遅らせることができるのでしょうか? 簡単な推拿の方法が、あなたに一つの有効な保健の方法を提供しますが、ここでは顔面部と腰部とに分けて紹介します。



    (ニ)主要症状及び推拿手法
    1.顔面美容
 (1)症状表現
   ①顔面の皮膚がたるんできた。
   ②しわが多くなった。
   ③顔つきが年寄りくさくなった。
   ④疲れやすく気力がない。
   ⑤皮膚が滑らかさを失った。

 (2)推拿の手法

 ①分推額頭。手指で印堂穴から左右に分かれて太陽穴まで推して行く、力は平穏に、毎回推100回以上。







 ②摩揉面容。手掌を擦って熱くしたあと、顔をなで擦る、皮膚が熱くなったら宜しい、毎回摩揉100回以上。









 ③点按面穴。手指でそれぞれ太陽、頬車、聴宮、迎香、瞳子髎、印堂などのつぼを指圧、力は先は軽く后に重く、各ツボ点按50回以上。








 ④拿捏眼眶。手指で眼のふちをはさんでこねる、はさむときはごくごく軽く捏ねる時には力を入れて揉む、毎回拿捏20回以上。








 ⑤叩打面部。手指で顔を叩打、力は軽微に、毎回叩打100回以上。









 ⑥指推面部経穴。手指で印堂から太陽まで推して行き、太陽から迎香へ、迎香から頬車へ、頬車から下って人迎穴で止める。毎回推行20回以上。


2.腰を細くする
(1)症状表現
  ①腰部に脂肪がついて、皮膚がたるんでいる。
  ②腰がだるく脹ったように痛む。
  ③腰の屈伸やひねりが制限されている。
  ④身体がおもくて気力がない(身困疲乏)。
  ⑤腰に力が入らない。

(2)推拿の手法

①横摩腰部。一方の手のひらで腰部から横に推しなでて行き、もう一方の手のひらは腰部にしっかりとそえておく、力は緩やかに、毎回横摩200回以上。











 ②搓揉腰部。手のひらで腰背部を上下に揺り動かす、力はやや重く、快速にこする(搓擦)、皮膚が熱くなったら宜しい、毎回搓揉100回以上。












 ③点按腰眼・命門・環跳。指圧するとき力は先に重く后は軽く、毎回点按50回以上。









 ④畳掌拳叩腰部。手のひらを重ねて腰部を圧迫したあと、軽く挙で手の上を叩く。毎回50回以上。









  ⑤肘圧腰部。肘の関節で腰部をおさえる(按圧)、力はやや重く、毎回按圧50回以上。









 ⑥空掌拍打腰部。手のひらの中心に空気をためた状態にして、腰部をパタパタとたたく(拍打)、力はまずは軽く後に重く、毎回の施術は拍打100回以上。


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