月経周期が７日以上短くなったり長くなったりするものを、月経不定期（月経先后無定期）といいます。本病は多く肝鬱気滞或いは腎気虚衰により、気血造成の調節が失われ、血海での蓄溢が正常でなくなって引き起こされるものです。臨床では精神的なストレス（肝鬱）の結果引き起こされることが多いです。

（1）肝鬱の症状
　　①月経周期不定。
　　②月経量は或いは多く或いは少い。
　　③月経色は紫紅で塊りがある。
　　④月経がスムーズでない（経行不暢）。
　　⑤下腹が脹って痛む。
　　⑥舌苔は薄白或いは薄黄、脉は弦。

（2）推拿の手法

　　①手のひら（手掌）で背部の脊柱の両側を左右に分けて推す（分推）、上から下へと推して行く、手指に力をこめる、毎回分推50回以上。










　②手掌分梳胸脇、片手或いは両方の手のひらで、胸の正中から両側にむけて指を広げてくしけずる、手のひらと指の力は軽くして、胸をひろげて気をめぐらす（寛胸順気）。

（1）腎虚の症状
　　①月経周期不定。
　　②月経量は中等或いは少。
　　③月経色は淡、質は清（うすい）。
　　④腰の下の方と下腹部がけだるく痛む。
　　⑤舌質は淡く舌苔は少、脉は細弱.

（2）推拿の手法
　①指或いは手のひらで腰眼、命門、環跳などのツボを点揉、力は先に軽く后で重く。毎回点揉10分間以上。








　②掌叩八髎穴、一方の手のひらを八髎穴の部位の皮膚の上にぴったりとつけて、もう片方の手の拳でその手の甲を叩くといい、手のひらを通して骨盤の中に力を浸透させる、毎回叩くこと（振叩）10分間以上。






　③手のひらを足の裏につけて、湧泉穴を軽快に擦り揉む、毎回擦揉10分間、皮膚の熱が上の方へ伝わって来たらよい。






　④手指で百会穴を指圧（点按）、力ははじめ軽くしだいに重く、毎回点按10分間前後。









　⑤神闕、中脘、関元などのツボを指圧（点揉）、おさえるときには力を込め、揉むときには軽く、両者を巧妙に組み合わせる。









　⑥掌貼小腹部、手のひらを互いに擦って暖かくしたあと、下腹部につけておさえる（按圧）、患者は静かに眼を閉じて、熱感がお腹の中に入ってくるのを感じる。