月経は婦人の正常な生理現象です、もしも18歳を過ぎてもなお初潮が無かったり、月経はあるんだけれども3ヶ月以上中断した場合には無月経(閉経)といいます。 およそ妊娠しているときや、授乳しているときに月経が止まるのは正常な生理現象です。少女で初潮の後に、腎気がまだ充分でないために、一時的に月経が無かったり、閉経期のように月経が止まったりするのは、いずれも正常な生理現象です。また月経がある女性でも生活環境が変化して、1~2回月経がないことがありますし、単に月経がないだけでどこも悪くない場合は、無月経としては取り扱いません。無月経の患者は、常に下腹部に病的な症状があります、推拿はこの症に対して比較的よい治療効果がありますが、症型の違いに分けて叙述します。 |
(1)症状表現 |
(1)症状表現 ①月経周期が次第に延びる、経量が少い或いはなくなる。 ②月経色は淡く質は薄い。 ③下腹がシクシクと痛み、おさえると気持ちがいい(喜揉按)。 ④頭がくらくらして眼がかすむ(頭昏眼花)。 ⑤動悸がして呼吸がせわしい(心悸気短)。 ⑥疲れやすく身体がだるい(神疲肢倦)。 ⑦食欲不振。 ⑧毛髪に艶がない或いは脱毛する。 ⑨痩せて顔に艶がない(羸痩萎黄)。 ⑩舌は淡く苔は少い或いは白薄。 ⑪脉は沈緩或いは虚数。 (2)推拿の手法 ①関元、神闕穴を指圧(点按)。力は先に軽く后に重く、毎回点按100回以上。 ②揉捏小腹部。手のひらを軽く下腹部につけて揉み(揉動)、その後下腹部を握りつまんだり、つかんで持ち上げたり(握捏拿提)する、毎回施術10分間。 ③分推腰部。両方の手のひらの小指側のふくらみを腰につけて、圧を加えながら緩慢に左右に分かれて下に向かって推す、毎回分推行100回以上。 ④半握拳滾揉腰背部。軽く握った拳(半握拳)で、上から下へ腰背部を反復して滾揉する、ころがすとき(滾時)はやや力を入れ、揉むとき(揉時)は軽く穏やかに、毎回滾揉10分間。 ⑤豊隆、足三里穴を指圧(点按)、力は先に軽く后に重く、毎回点按50回以上。 ⑥足の裏の両側を推し揉み(推揉)。両手の母指で足の裏の両側を同時に踵から指先の方へと推し揉み(分推揉)。 ⑦下腹部を熨して温める(熱熨)。塩或いは生姜、葱を混合して鉄鍋に入れて炒めて温め、その後うすい布に包んでしばり、下腹部を熨して温める、毎回施術15分間。
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(1)症状表現 ①女性が18歳になっても初潮がない。 ②月経量が少なくなって終に無月経。 ③下腹がシクシクと痛む。 ④腰がおもだるくて下肢に力が入らない(腰酸腿軟)。 ⑤頭がくらくらして耳鳴。 ⑥舌色は淡紅、舌苔は少い。 ⑦脉は沈弱或いは細澀。 (2)推拿の手法 ①摩揉任脈。手のひらで胸から下へとなでもむ、毎回摩揉200回前後。 ②建里、梁門、中脘などのツボを指圧(点揉)。指圧するとき力は先に重く后に軽く、はれぼったい感じがするよう(脹痛感)、毎回点按50回以上。 ③然谷、三陰交などのツボを指圧(点揉)。おさえるとき(点時)はやや力を入れて、揉む時はやや軽く、毎回点揉50回以上。 ④掐湧泉穴。手指で湧泉穴をつめるようにつかむ(掐拿)、つめるときには穏やかにはじめて次第に力を加える、毎回つめること20回以上。 ⑤按揉四神聡穴。手の四本の指で四神聡穴を同時におさえもむ、按る時は力を入れて長くおさえ、揉む時は軽快にもみなでる(揉摩)、毎回按揉100回以上。 ⑥拿捏肩井。手のひらで両方の肩をにぎりこねつかむ(握捏拿)、力を入れ、肩部にはれぼったい感じをもたせる(有脹痛感)。ちょっと力を入れて持ち上げてもいい、毎回施術応拿捏50回前後。 ⑦背部の足の陽経脈を包むようにして推す(抱推)。手のひらで腰を横から抱えるようにして下に向けて推す、手のひらはぴったりと皮膚につけおく、毎回施術応推100回以上。 ⑧棒灸で神闕、関元などのツボを温灸する。毎回10分
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