(一)
推拿は疾病を治療する方法の一種です。だからといって、その施術原理と操作方法は深くて測れないとか、高くて登れないとかというものではありません。職業的な医療従事者はもちろんのこと、一般の人たちでも、ただその方法に対して興味を持ち、そして真剣になって施術方法の行い方を見習って、一定の驚喜するような感覚を体験したら、あなたは他人のためにも、或いは自分のためにも苦痛を取り除く“医者”に成ることができます。もし心優しいご主人ならば、病魔に悩まされている妻の苦痛を取り除くことができます。このことは、間違いなく、大いに関心を持って良いことです。妻に愛をもってつくす上でこれ以上のことがありましょうか、夫婦関係は睦まじくなりますし、相互理解は深まりますし、疑いなく良いことです。 |
推拿は中医の他の各科と同様に、弁証方法によって診断します。材料を集めて真剣に帰納分析して、異なる症状を弁別して、症に対して治療します。 |
疼痛の診断では、普通圧痛検査法を採用します。体表部位に出現する圧痛点により、経絡が所属する分布領域と体内の臓腑の部位を確定することができます。常用する検査法は、指圧、掌圧、叩打圧、関節屈伸圧などです。 日常の生活で女性が最もよく経験する疼痛部位は、乳房、胸脇、腰部、下腹などです。 |
健康な人の関節は敏捷に回るし、自在に屈伸します。関節の屈伸が制限される、紅く腫れて痛む、はなはだしい場合は関節が変形する、などはいずれも病気です。 |
月経は女子が男子と異なる重要な生理的な特徴です。月経には一定の周期、経気、経色、経量と性質があります。月経と月経の間隔を月経周期といい、一般には28日です。21日より短いものは周期が短すぎます、35日より長いものは周期が長すぎます。経期とは月経の持続期間のことで、一般には3~5日です。毎回の月経総量は50~80ミリリットルです。月経の主な成分は血液ですが、経血が多いと暗紅色になり、始まったときは浅い色で、続いて色は深くなり、最後にはまた浅くなります。性質はサラサラでも粘稠でもなく、固まってもいないし、血塊は無く、特殊な臭いもありません。 |
下腹部の疾病は、婦人科疾患の中で非常に大きな比重を占めています。これは、婦人科で常見される病気で、頻繁に発病するものです。およそ、女性が下腹部に不調感を覚えたら、下腹部を触診して、お腹を押さえて、腹壁が硬いか柔らかいか、暖かいか冷たいか、痛みの性質はどうか、塊があるかないかまたその場所や大小を調べます。月経痛の患者で、お腹をおさえると柔らかく、おさえると痛みがおさまり、温めるのを喜ぶ者は、多く虚寒に属します。おさえると痛みがひどくなり、おさえられるのを拒む者は、多く気滞血瘀に属します。下腹をなでて塊があり、おさえてみると堅く、推しても移動せず、圧迫すると痛みが甚だしい者は、多く血瘀に属し、癥と言います。おさえてみて、堅くなく、水を入れた袋のようで、推すと移動する場合は、多く気滞、痰凝に属し、瘕といいます。お腹をなでてみて、暖かくない、或いは冷たい者は、多くは陽気不足とします。なでてみて、灼熱感のある者は、多く熱盛とします。月経中或いは月経の前に下腹が痛み、おさえると余計に痛い者は、多く実証に属します。もし月経の後に下腹がシクシクと痛み、おさえると気持ちがいい者は、多く虚証に属します。月経中に下腹が冷え痛み、温めると楽になるのは、多く寒証に属します。月経前に下腹が脹って痛み、脹ってきたときに痛みがひどくなるのは、多く血瘀に属します。脹れるのがはなはだしいものは、多く気滞に属します。 |