(三)
推拿は中医の外治法の一つで、それは主に手を用いて他人に施術を施したり、自分の保健のために施術したりするものです。推拿の作用は、直接患部に、或いは一定のツボに施して、経絡の通りをよくし(疏通経絡)、血をきれいにして悪血を除き(活血化瘀)、腫れをなくし痛みを抑える(消腫鎮痛)などの目的を果たします。推拿の施術手法は多種多様であり、その治療作用には違うところがありますが、大別すると、単式手法と複式手法の両種があり、綜合手法を用いることもできます。 |
単式手法というのは、単純な一種の手法を用いて、患部或いはツボに施術して治療作用を発揮するものです。多く使う手法は推、拿、点、按、摩、揉、捏、揺、抖、圧などです。 1.推法: 4.按法: 片方の手のひら(単手掌)或いは両方の手のひらを重ねて(双手掌)一定の部位を抑えます。身体の皮膚や筋肉に作用して、疲労を緩解させたり、筋肉の緊張をとるのに用います。按と圧には区別があります。按の力は、皮膚や筋肉をおしますが、深いところまでは透りません。 5.摩法: 手のひら或いは指を一定の部位に置いてなでこすります(撫摩)。皮膚と筋肉に作用して、身体の皮膚の感覚機能を調節し、胸苦しさを取り除く(寛心舒展)作用があります。摩法の速度はあまり速くする必要はありません。また、強い力を用いる必要もありません、緩慢になでこすり、そうすることによって気は静まり眠くなります(安神催眠)。 6.揉法: 指、手のひら、肘などを用いて、一定の部位、ツボに施術します。時計の方向或いは逆時計の方向、或いは上下左右にもみ動かします。そのまわす幅、力の大小、作用するツボは弁証に基づいて運用します。一般に保健養生の場合には、揉法は多く軽く揉んで、人にのびやかで快適な感じを与えるようにします。疾病を治療する場合には、軽く揉みながらも応えるようにして、筋肉や骨格の深いところにまで達するようにします。 7.捏法: 片手または両手の母指と食指、中指、無名指をのばしてアヒルの嘴のようにして、一定の部位またはツボをつまみ合わせて、上下方向に沿って移動して、筋肉・腱・靭帯などに作用する。つまむ力は適当にし、移動は速くします。
|
複式手法は同時に二種類以上の手法を採用して、同じ操作時間内に局部またはツボに施術するもので、各種の手法を配合して、協調させて、単一手法では足らないところを補います。臨床において、治療と保健の作用を高めます。よく用いられる複式手法は:点揉法、推揉法、掐揉法、圧揉法、按摩法、捏脊法、掐按法、拍叩法、弾撥法、牽引法等等。 |
綜合手法は推拿の手法に薬物、食べ物、或いはその他の設備を配合して、総合的に施術を行う手法です。各種の手法を配合するのは、主に治療効果を増強したり、治療期間を短縮したり、副作用を減少させるのが目的です。一般に婦人科で用いられる手法には温めた塩、温めた卵、温めた葱や艾の葉、薬酒、吸い玉、塗り薬、熏洗、ドライヤーなどなどがあります。
|