正常な状況では、婦人の腟の中は少量の無色で粘質で無臭の分泌物があり、これは人体の腎気が充満して盛んであり、脾気が健やかに運行している現われで、湿潤な膣口は、細菌が侵入してくるのを防いでいます。月経期間中、月経の前、或いは妊娠中は、帶下はやや増加しますが、これは正常な現象です。だけど、もし膣内の帶下が綿々として止まらず、色、質、臭いが異常なものは、まず帶下の疾病を考慮すべきです。 女性の帶下の疾病は主に白帯の量の多少、顔色、帶下の質が正常かどうか、臭いがどうかなどを観察して、その原因を分辨し、治療方針を確立します。およそ、帶下の色が白くて、サラッとしていて、無臭のものは多く虚に属します;帶下の色が黄色で粘りがあり臭いがあるものは多く実に属します。帶下にいろいろな色が混ざり、膿のような血に似ているような、変な臭いがしてつい顔を背けるような場合は、直ちに病院で検査して、癌に変わるのを防止します。 帯下過多はその原因を究めれば、主に湿邪によって引き起こされます。湿邪は外湿と内湿の両種に分かれます。外湿は居住環境の湿気、或いは夏に涼しさを貪る、湿ったところに長く寝そべるなど多種類の原因で起こります;内湿はもともと体質的に脾虚で、運化作用が失常し、腎が虚して固める作用を失って(腎虚失固)起こります。 |
(1)症状表現 |
(1)症状表現 ①白帯でサラッとして冷たく、量は多い。 ②質は稀薄。 ③だらだらと流れて止まらない。 ④腰が痛くて折るかと思うぐらい(腰痛如折)。 ⑤下腹が冷痛。 ⑥頻尿で出るのが長い、夜間はさらに甚しい。 ⑦大便は水様便。 ⑧舌質は淡、舌苔は薄白。 ⑨脉は沈遅。 (2)推拿の手法 ①湧泉、三陰交、然谷などのツボを指圧(点按)。力は先に軽く后は重く、毎回点按10分間以上。 ②腰眼、命門穴を指圧(指揉按圧)。手指でツボを按圧し、その后軽く揉んでゆるめる、毎回施術指揉按圧100回以上。 ③掌圧八髎穴。手のひらを重ねて八髎穴にぴったりとつけ、そして術者が体重を両方の手のひらの上に移して、圧力と身体の重力を八髎穴上に落とす、毎回掌圧50回以上。 ④腰部、環跳穴に肘頭圧。肘尖で腰部或いは環跳を圧しつけ、その後肘頭の圧力でその部位やツボを刺激する、毎回肘頭圧50回以上。 ⑤アキレス腱をつねる。手指を対にしてアキレス腱をつねる、力は強く、快速に正確に、毎回つまむこと20回以上。 ⑥中極、会陰穴を指圧(点揉)。手指で点揉する時、力は先ず軽く后に重く、圧えるとき(点時)はツボにははれぼったい感じがあり(脹痛)、揉む時には脹痛感は消失する、毎回点揉20回以上。 ⑦掌揉脘腹部。手のひらをお腹にぴったりとつけて上下左右に揉み動かす、毎回施術揉動100回以上. ⑧棒灸で関元、足三里穴に温灸、毎回温灸10分間、生姜の隔物温灸でもよい。 |
(1)症状表現 ①帯下の量が多い。 ②色は黄い或いは黄白。 ③質はねばねばして臭気がある。 ④胸がうっとうしく口がねばねばする(胸悶口膩)。 ⑤あまり食べない。 ⑥下腹が痛くなる。 ⑦陰部が痒い、尿が黄い。 ⑧舌苔は黄膩或いは厚。 ⑨脉は濡略数。 (2)推拿の手法 ①点掐行間穴。手指を上下に使って行間穴をつねる、力は先ず重く后で軽く、毎回つねること50回以上。 ②委中、承山穴を指圧(点按)。手指の重力でツボを指圧(点按)、ツボにはれぼったい感じ(脹痛感)を起こさせる、毎回点按50回以上。 ③肩井、風池穴をつまみこねる(拿捏)。手指で肩井、風池穴をつまみこねる(拿捏)、力は先に重く后は軽く、毎回拿捏50回以上。 ④神門、合谷穴をつねる。手指で神門、合谷穴をつねる、力は重くして、平穏に保持する、ツボにはれぼったい感じを起こさせる、毎回つねること5分間以上。 ⑤拿提腹部。手のひらで腹部をしっかりとつかみ、揉んだりこねたりした(揉捏)あと上に上げる、その後緩める、毎回拿提100回。 ⑥大椎、命門穴を擦り揉む(擦揉)。手指を白酒にひたして大椎、命門などのツボをパタパタとたたいたり、擦り揉む(拍打擦揉)、毎回擦揉200回以上。 (訳注:白酒はコーリャンで作った焼酎) ⑦火を使う吸い玉を八髎穴に、吸い玉を吸着する前、ツボを梅花針ではじくように刺しておく(弾刺)、毎回撥吸10分間以上。 ⑧三稜針で隠白、至陰穴を点刺し、その後両側から圧して出血させる、毎回出血3滴以上。 |