妊娠28週以上の者では、正常胎位は胎児の頭は下を向いています、つまり、分娩するときに頭から先に出れば、胎児は最小の周径で骨盤を出て、産道を通過することができるということで、自然分娩として順当なわけです。これに反して、もし胎児の足や臀部などが下を向いる場合を胎位不正といいます。胎位不正は難産をきたす重要な原因で、重いときには母子の生命に危険が及びますから、重視しなくてはなりません。 胎児の各部の大きさは成人とは異なります。成人の臀部は肩部より大きく、肩部は頭部より大きい。胎児はこれに反して、頭部は肩部より大きく、肩部は臀部より大きい。胎児は羊水の中で生活していますが、妊娠24~28週より前は、胎児は小さいので、羊水は相対的に多く、胎児の子宮内での活動範囲は大きく、位置と姿勢は容易に変動します、したがってこの時点では胎位がどうかという事は問題にしません、胎位不正の診断をしてもその意義はないのです、大多数の胎児は妊娠後期には自分で動いて正常な胎位になるのですから。だけれども、妊娠28週の時点で、医学的な検査で胎位に不正であった者は、産前の検査は必須ですし、時期を失しないように矯正しなくてはなりません。もし、妊婦の骨盤が狭く、胎児が大きく、胎位の矯正ができない場合には、分娩時の困難を見通して、早めに入院して、適当な時期に帝王切開して、母子の安全を図ります。 中医学では:胎位不正には、虚実の区分があります。虚証は多く気血不足によります。実証は即ち気滞血瘀です。推拿手法を適当に組み合わせて、胎児不正を矯正します。 |
(1)症状表現 ①臨月一月前に胎位不正。 ②顔色に艶がない。 ③神経が疲れて身体に力が入らない(神疲肢軟)。 ④動悸がして呼吸がせわしい(心悸気短)。 ⑤舌色は淡、舌苔は薄。 ⑥脉は沈細で弱。 (2)推拿の法 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
(1)症状表現 ①妊娠28週の時に胎位不正。 ②腰腹が時に疼痛する。 ③顔色が黒い(晦黯)。 ④胸やお腹が脹って苦しい。 ⑤下腹が下に落ち込んで脹る(墜脹)。 ⑥舌質は暗紅。 ⑦舌苔は正常或いは膩。 ⑧脉は弦澀。 (2)推拿の手法 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |