 以前は蒸気浴には蒸気室を建てる必要があり、家庭で行うのは大変困難でした。現在はそうではありません、市場に家庭用の電熱蒸気沐浴箱が販売されています。箱の中に座り、頭を外に出し、箱のチャックを閉めて密閉すると、蒸気浴や熱水浴ができて、非常に便利です。蒸気浴は身体の新陳代謝を促進し、身体の疾病に対する抵抗能力を増強し、機能障害を回復します。 実験の結果では、蒸気浴を行っているときには、体温は平均1.8°上昇し、基礎代謝は高くなり、脈拍と呼吸は速くなり、白血球数は増加します。蒸気浴は神経、筋肉、骨格、結合組織の変化には直接影響します。また、蒸気浴時には筋肉に達する血液量は増加し、筋肉の血管は拡張し、筋肉の乳酸その他の老廃物は迅速に排除され、労働と運動中に被った損傷組織の修復を助けます。蒸気浴が神経の緊張と疲労を取り除く所以です。疲労した筋肉、筋肉の腱や靭帯は軽快に回復し、蒸気浴のあとは一種の軽やかに緩んだ感じがします。蒸気浴は不眠、肥満症に大変いい療效があります。蒸気浴は純水蒸気でもいいし、薬物蒸気でもいいです。それが疾病を予防・治療するメカニズムは主に物理的な温熱作用および中薬の薬物作用を利用して、高級神経中枢と全身の生理、病理過程を調節することです。これは一種の病邪を駆除して正気は傷つけない、発汗させて皮膚の機能を傷つけない、内の疾病を外から治す、病邪にまで浸透してそれを外に出す、血をきれいにして滞りをめぐらす、筋肉をのびやかにして経絡を通すという好い方法です。 蒸気浴は水蒸気浴と薬蒸気浴に分けます。 1．水蒸気浴： 浄水を用いて加熱沸騰させ蒸気を作り、箱の中の温度を６０℃以内に保ちますが、６０℃以内で任意に温度を制御できます。毎回の蒸気による蒸療時間は２０〜４０分です。 2．薬蒸気浴： 好みの中薬を組み合わせて、叩いて粗めの粉末にし、二層の薄い布で口のある袋を縫製し、薬の粉を装入し、水中に入れて沸騰させ蒸気を作るか、あるいは先に薬物を薬鍋を用いてよく煎じ、薬のカスを濾過して、薬液を沸騰させて蒸気を作ります。箱の中の温度は６０℃前後に保ち、一般に一回２０〜４０分間蒸療します。 蒸気浴の後は、バスタオルを用いて身体を拭き、希望する保健の種類や病症の違いに基づいて、適宜、推拿按摩方法を選択します。推拿按摩の前に適量の水分、適当な温度の果汁あるいは薄い塩水を補充すべきです。 蒸気浴は局部の薫蒸にも適用します。たとえば、顔の蒸気浴、肛門と外陰部の薫蒸など、それによって疾病を治療します。 蒸気浴はただ大変効果的な保健作用があるだけではなく、多種類の疾病を治療することもできます。たとえば、類風湿、風湿性関節炎、神経衰弱、肥満症、各種の浮腫、腰背痛、消化不良、過敏性鼻炎、月経痛などです。薬蒸気浴の薬物配合方については“薬水浴”のあとの附方を参照してください。 |