過敏性鼻炎は、またアレルギー性鼻炎とも云います。これは、身体がある種のアレルゲンに対する敏感性が高くなった結果、鼻粘膜に浮腫が現れ、粘液腺が増加し、上皮の下にある好酸球細胞の蛋白が浸潤して一種の異常反応を起こすものです。臨床症状としては、鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻づまり、大量のはなみず、嗅覚障害が主なもので、起床時に発作がおこります。現代医学ではアレルギ体質、精神的な素因、内分泌の失調などが関係し、温度変化、空中の化学物質、刺激性の臭い、煙やほこり、花粉などの刺激が発作をおこすとされています。 本病は中医学では“鼻鼽”の範疇に属します。多くは肺気虧虚,衛気不固,外感風寒(肺の機能が弱って、皮膚の身体を護る働きが衰えて、外邪である風寒が侵入して)発症するとみます。 症状表現 ①時々起こる鼻のかゆみ、痙攣性のくしゃみ; ②鼻づまりおよび大量の鼻水; ③嗅覚の障害; ④その他のアレルギー性の病歴がある; ⑤鼻腔検査で鼻粘膜に浮腫などがある; ⑥反復して発作。 |
冷たい水で顔を洗います。毎晩、冷水での洗顔を、一年四季をつうじて冬夏の区別なく、長期間続けます。顔を洗うきには、先ず顔を冷水の中に浸けて、鼻で息をはき、吐き終ってから顔を上げて息を吸います。これを反復5~10回。その後湿ったタオルで顔、頚と耳を、こすり洗います。洗い終わったら、乾いたタオルで顔を拭き、按摩をおこないます。このほか、習慣的に空気浴、日光浴をおこない、条件があれば温泉に行きます。 |
①両方の手のひらで耳輪を5分間按圧(アンアツ、おさえる)しますが、両手で耳輪を下から護るように、両方の耳輪をおさえるように手のひらの母指球と小指球をおいて、だいたい逆時計方向に旋転しながら揉圧(ジュウアツ、もみおさえ)します。一定のリズムを持って、穏やかに、毎分60回ぐらいのスピードで、耳がすこし熱くはれぼったくなるまで行い、それ以上痛みを感じるまではしないほうがよろしいです(図162)。 ②両方の手のひらを頬において、先す内に向かって旋転摩擦25回、つぎに外に向かって旋転摩擦25回次、頬が少し紅く発熱したらよろしい(図163)。 ③手指で両眉中間の印堂穴を按圧(アンアツ、おさえる)、点揉(テンジュウ、てんもみ)して、だるい、はれぼったい感じがしてきたら宜しい(図164)。 ④手指で鼻翼の傍ら迎香穴を2~3分間点揉(テンジュウ、てんもみ)して、つづいて、両目の内眼角結んだ線と鼻柱の交る鼻柱の根部2~3分間点揉(テンジュウ、てんもみ)します(図165)。 ⑤手指で手の虎口の合谷穴を2分間点按(テンアン、てんおさえ);肘横紋の外側陥凹部の曲池穴を2分間 項部の後髪際正中の上1寸外側の陥凹部風池穴を2分間。だるい、しびれる、はれぼったい感覚が生じたら宜しい(図166)。 |
①冬季にもやはり冷水洗顔を堅持しなくてはなりません。冷水浴はしなくてもいいですが、タオルでの冷水摩擦は堅持する必要があります。 ②冷水洗顔の後、すぐに自分で推拿按摩を行い、上述の推拿を順序良く行います。 ③本法はアレルギー性鼻炎に良好な作用があるばかりでなく、美容にも、感冒予防にも効果があります。 |