一、沐浴による保健と治療

(七)海水浴
 海水浴は、海水の中で遊泳したりあるいは沐浴して、身体を強健にして疾病を予防する方法の一つです。
 海水中には塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、臭化マグネシウム、炭酸カルシウムなど多種類の塩類がありますし、また多種類の微量元素および酸素、窒素もあります。これらの物質が皮膚に付着して、末梢神経を刺激し、皮膚を軽度に充血させ、血液循環を改善し、代謝機能を増強し、網状内皮系統の機能を向上させます。海水の静水圧力、波浪の衝撃と遊泳活動は血液の心臓への回流を促し、心臓血管の機能を向上させます。海水の温度は体温と比べて低いので、浴後は人の精神を奮い立たせ、四肢をゆったりとさせます。海水浴は肥満症、神経衰弱、胃腸の機能障害、皮膚病、慢性気管支炎などに対して治療作用を助けます。
 自分の状況に基づいて、適宜海水浴の方法を選択します。

 1.海水泳浴:
 わが国には大連、青島、北戴河、北海等の海水浴場があります。毎年7〜9月の間が海水浴には好い季節です。毎日午前9〜11時と午後3〜5時が適しています。体質が比較的によくて、泳げる人に適応します。毎回の泳浴時間は20〜30分間です。

 2.海水洗浴:
 海辺の浅いところで洗浴し全身浴します。体質が劣っている人、遊泳できない人に適応します(図8)。
 海水浴後は淡水で洗い流し、その後適当な推拿方法を選択して推拿按摩をおこないます。

 高齢で体の弱い人、病情が非常に重い人はこの法を用いてはいけません。

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