一、沐浴による保健と治療


(ニ)温(熱)水浴
 温水浴は水温31〜40℃、熱水浴は水温40℃以上とします。
 温(熱)水浴は神経系統の興奮性を向上させ、血管拡張を引き起こし、血液循環を促進し、組織と器官の栄養状態を改善します。筋肉の緊張度を低くし、筋肉の痙攣を軽減し、筋肉を弛緩させますから、疲労を取り除くのに有利です。現代科学は、血液中の乳酸量が疲労を測定する指標になると証明していますが、人体は、仕事したり、運動して疲労した後は血液中の乳酸量が増加しますが、入浴すると新陳代謝を速め、乳酸の分解速度を向上させることができます。温(熱)水浴は,皮膚の汚れを除き、毛穴と汗腺の通りをよくして、皮膚の代謝機能と抗病能力を向上します。実験で証明されていることですが、一回全身を洗えば皮膚の上の数千万から2億個の微生物を除くことができますから、沐浴には“消毒的熱床”という美称があります。清潔な皮膚の表面は酸性反応を呈し,細菌の生長を抑制しますが、不潔な皮膚はきわめて容易に細菌を繁殖させます。温(熱)水浴には、また鎮静作用があり、睡眠を促進します。
 温(熱)水浴は血管を拡張し、血液循環を促進し、新陳代謝を増進し、消炎、鎮痛、鎮静、止痒作用があり、疲労等を取り除く作用があります。
 温(熱)水浴は温(熱)水シャワーと温(熱)水入浴を採用することができます。

  1.温(熱)水シャワー:
 適当な水温に調節して、温いシャワーを浴びます。一般にシャワー時間は20〜30分です(図2)。外界の気候、気温を考慮して適当な時間をきめます。







  2.温(熱)水入浴:
 浴槽に温(熱)水を注いで、20〜30分入浴します(図3) 。沐浴後、バスタオルで身体の表面の水分を拭きます。

 入浴後、適宜、推拿按摩方法を選んで、按摩を行います。温(熱)水浴は風湿性および類風湿性の関節炎、神経衰弱、肥満症、皮膚掻痒などの疾病および疲労を取り去るなどの大変良い作用がありますが、このうえに推拿按摩手法を加えれば、効果はさらにはっきりします。

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