十四、湿 疹



(一)概説
 湿疹はよく見られる過敏性、炎症性の皮膚病の一種です。その病因は比較的複雑で、多くはある種の食物あるいは腸内の寄生虫の病的感染です。さらに、風寒、風熱、日光、植物などにたいする体質的な過敏性も原因となります。これは人の体質、神経系統の機能障害とも関係があります。皮疹の特徴点は多形で、湿潤の傾向があり、掻痒、常に対称的に分布しそして反復して発作を繰り返し慢性化することです。急性湿疹は、皮疹は常に四肢の屈側(肘窩、膝窩など)、顔、くび、手、足の背面および陰嚢部に発生します。皮疹は多くは多形性の紅斑、丘疹で、水庖、膿庖、糜爛、浸液、かさぶたなどがあることがあります。中医学の“浸淫瘡”の範疇に属します。
  症状表現
  @肘窩、膝窩、顔面および躯幹などに好発;
  A皮膚の損傷は多様性を現し、紅班、丘疹、水庖(大くはならない)、糜爛、浸出、かさぶたなど;
  B急性に反復して発作し、慢性に転じることがある;
  C劇しい痒み、慢性的に経過するなかに常に急性発作がある。



(ニ)沐浴法
 薬水浴を採用して、“皮膚康寧方”を選用し、水で煎じて、カスを去り、濾した液で浸浴。毎回15〜20分間。



(三)推拿の穴位と手法

 @手指頭の後風池穴を按圧(おさえる)、だるい、しびれる、はれぼったい感覚が生じたら宜しい(図196)。






 A手ひらで第七頚椎棘突起突下の陥凹ぶ大椎穴を按揉(アンジュウ、おしもみ)、2分間(図197)。










 B母指の指腹で肘を屈して横紋の橈側端の陥凹部曲池穴を点按(しあつ)、だるい、はれぼったい感じがしてきたら宜しい(図198)。




 C手指で膝蓋骨内上縁の上2寸の血海穴を点圧、力を入れて点圧1分間(図199)。





 D手指で大腿外側の膝横紋の上7寸の風市穴、力を入れて点圧1分間(図200)。








 E拇指で虎口(手背の第1.2中手骨の間)の合谷穴を点圧、だるい、しびれる、はれぼったい感覚が生じたら宜しい(図201)。



(四)注意事項
 @沐浴の時、水温は過熱しないように、熱水は用いない。
 A石けんで患部を洗わない。
 Bできるだけ掻かない。
 C飲食は淡白が宜しい、辛いものや油っこい品は食べない。

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