小児夜泣きとは、小児が日中は変わったことがないのに、夜になると泣き喚いて、手足をばたばたと不安がる、あるいは毎晩定った時刻に泣く、ひどいときには一晩中泣き続けるといった症状を指します。 中医学では次のように説明します。この症は精神状態と関係の深い「心」の熱あるいは消化吸収機能と関係の深い「脾」が弱っていることと関係がある、また食傷や驚愕などの原因で起こることもある、昼と夜の睡眠が入れ替わって起こる者もある、初産の乳児に多く見られる。 症状表現: @小児は日中は普通に遊び戯れているか、あるいは疲れたようにぼんやりしている、夜になると泣いて落ち着きがなく、甚しい者は一晩中声をだして泣く; A身体は痩せて、毛髪は希薄で黄色い。 B食欲不振、腹が脹って水様便、あるいは小便の色が黄い、ビクビクしていて、なにかとびっくりして泣き易いなどの症状を伴うことがある。 |
熱水浸浴を採用して、水温は40℃前後が宜しい、たえずタオルで小児の胸腹部と背脊部を軽くこすってやる、入浴10〜15分間(図268)。日光浴を採用してもよい、天気の良い日を選んで、朝の10時ごろ室外の日光のよく射すところで小児と一緒に遊ぶ、もし夏秋の季節であればできるだけ小児の腕や腿は裸にして、皮膚がさらに多くの日光を受けるようにする。毎回30〜50分間。 |
@拇指の指端を小児の母指球の中点に置いて、按揉(アンジュウ、おしもみ)100〜300回(図269)。 A中指の端を小児の手のひらの付け根の横紋の中点大陵穴に置き、9回揉んで3回点按(しあつ)、これを3辺繰り返す(図270)。 B手指で両肋骨弓が交叉するところから始めて、下に向かって直っすぐへそまで推す、両手を交替しながら50〜100回(図271)。 C両手の手のひらをこすって暖かくした後に、一方の手のひらを小児のへその上において、時計まわりに揉摩(ジュウマ、もみなでる)30回、つぎに逆時計まわりに揉摩30回(図272)。 D拇指で小児の背中の両肩甲骨と脊柱の間を、肩甲骨の内縁に沿って上から下に向かって両方同時に推す、50〜100回(図273)。 E手のひらの付け根で小児の脊背部を頚部から腰仙骨部まで旋転揉摩(まわしながらもみなでる)、毎回3〜5辺(図274)。 |
@初産の乳児の睡眠時間が入れ替わっているときには、睡眠習慣を正すように注意して、合理な授乳と食事に気をつけ、推拿手法はしばらく見合わせる。 A下痢をしてきたない臭いがして、便に不消化の食物がある小児にたいしては、飲水に注意する必要があります、定時刻に定量の授乳あるいは離乳食を与え、油っこい食べ物は控える。 Bビクビク驚きやすい者には、睡眠している時には室内を静かにしてやり、大人が常々抱擁してなでさすってやり、適当な軽音楽をかけて小児に聞かせる。 |