第三章 関節運動類手法

第三節 肩関節の運動法


四、肩関節牽引法



1.水平牽引法
 患者は座位或いは臥位、患肢の肘関節はまっすぐ伸ばします。
 術者は患者の前方或いは後方或いは患側に位置して、一方の手で患肢をおさえ、別の手でその手首を握り、患肢を90°に前方挙上或いは外転して、一分間牽引を作持します。2〜3回繰り返します。適応は肩関節の重度或いは中度の機能障害がある病症です。



2.上方牽引法
 患者は低い椅子に腰掛けます。
 術者は患側或いは前方立ち、両手でそれぞれ患側の手の母食指と中環小指或いは食中指と環小指或いは前腕の遠位端を握って、患肢を前方挙上位に上げたあと1分間ほど持続して牽引します。2〜3回繰り返します。適応は肩関節に軽度機能障害がある病症です。



3.下方牽引法
 患者は座位で、肘関節はまっすぐ伸ばします。
 術者は患側後方に位置して、一方の手で或いは一方の膝を患肢の腋窩部にあてがって内上に向けて支えておき、別の手で或いは両手でその手首を握って、患肢を60°以下にして下方に向けて1分間引っぱります。2〜3回繰り返します。適応は肩関節の重度機能障害がある病症、たとえば、肩関節周囲炎、脱臼、捻挫など。







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