恥骨結合は両側の恥骨の結合面が軟骨によって結合されています。軟骨の中間には骨腔があり、恥骨結合を弾性の富んだものにしています。生理的な原因により、女性の恥骨結合は広くて短く、男性は狭くて長くなっています。正常な成人の恥骨結合は230キログラムの張力に耐えることができるので、単純な外力では恥骨結合が分離するということはありません。恥骨結合分離の原因には二種あります。一つは女性の妊娠時で、とりわけ分娩前二週間になると、ホルモンが分泌されて、恥骨結合の軟骨と靭帯が緩んできて、結合部に軽い分離が起こり、胎児を分娩しやすくなりますが、正常な場合には、分娩後すぐに順次正常に回復します。二つは分娩時に胎児の頭が大くなっていたあるいは難産あるいは姿勢が正しくなくて力の使い方が適切でなかったといったことが原因で、恥骨結合部が比較的大きな圧力を受けて開いてしまうことです。後者は恥骨結合分離症の主要な原因です。この病の発病率は産婦人の約二千分の一です。 もし分娩後、恥骨結合部の疼痛・圧痛が顕著である、股関節の外転や外旋が制限を受ける、活動時には疼痛が激しくなる、立って片足を持ち上げるのが困難である、歩くときに力が入らない、階段を上り下りすると疼痛が増す、ひどい者は歩くのに杖が必要になる、甚だしいときにはベッドを降りれなくなる、症状が2ヶ月以上続く、]線で恥骨結合間の距離が6ミリメートル以上あるものは、恥骨結合分離症とします。以下の手法を選用して治療します。 |
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A.股関節屈曲する矯正法(図167)![]() B.仙腸関節の捻転法: ![]() ![]() |